メゾン・ド・ヒミコ | ナイト・オン・ザ・プラネット

メゾン・ド・ヒミコ

メゾンドヒミコ 借金を抱え、生活的に追い込まれている主人公・沙織。風俗で働こうかという借金のために、彼女がバイト代わりに誘われた先が、彼女を幼い頃に捨てた父親、そしてゲイである彼女が造ったゲイのための老人ホーム。誘ったのは父親の恋人であるきれいな青年だった・・・

なにか、元からしょっているものというか、世間を斜に見て育ったのだろう主人公を柴咲コウが演じている。すっぴんなのかな?彼女のあの特徴的な眼差しで、ちょっとうつむき加減に見上げるその表情が、あの屈折感を生んでいるのかな?存在感ありあり。
父親の若い恋人役のオダギリジョーは、あの容姿でいつものだるだるな雰囲気で、確かにゲイでもおかしくないか?と言うかどっちにももてそう。
そして、この映画のキモと言うべき父親役の田中泯。あの存在感はなんだろ、貫禄ある。彼の存在が映画の重みを増してくれてる。

個人的には沙織がうち解けたゲイの一人、山崎がきれいな衣装が似合わないと落ち込むところ励ましてコスプレしてはじけるところ。その後に結構残酷なシーンもあったりするのだけど、世間的に非常識と思われるところに溶け込むことで、一つ殻が破けていくような、そんな過程良く描けてる気がする。

犬童監督の映画は「ジョゼと虎~」を見たときも思ったが、何かこう人の心に潜むドロドロした部分がよく描かれている。
偏見や美意識を越えた、素直な「欲求」ですか。まあまあかなあ。


06.01.24 映画館

オリジナルサイト
http://himiko-movie.com/