シンデレラマン | ナイト・オン・ザ・プラネット

シンデレラマン

シンデレラマン 連勝街道を突き進む将来有望なボクサー、ジム・ブラドック。しかし、1920年、世の中は大恐慌に突入、株等に投資していた彼は、落ち目になってもドサ回り的な試合で食いつないでいた。やがて、右手のケガによりその道も絶たれるが…

タイトル通りのシンデレラ・ストーリーなのだが、そこに背負われた意味は重い。
ブラドックは、恐慌下の過酷な生活で、仕事をつかむのも一苦労。そんな生活の中でもけなげに彼を支える妻メイ、腹を空かせた子どもたちと一緒に生活していくためになりふり構わず、自分を捨てたプロモーターにお金を恵んでもらうまでになったとき、元マネージャーのジョーから、世界ランク2位の選手のかませ犬的な試合相手をたのまれ、喜んで引き受ける。彼にとっては家族との幸せな生活こそが全てだから。
そして、その想いが、ハングリーさが彼に勝利をもたらす。

こうしてリングに戻った彼は、やがて、恐慌下で貧困にあえぐ人々の希望になっていった。
彼の体を心配して試合をやめるように懇願するメイも、彼の思うようにと、励まし、送り出していく。

アメリカがどん底に墜ちていた時代、日本のバブル崩壊より数段上の貧困に襲われた人々の状況がリアルに描かれ、また、ボクシング映画ならではの闘争本能むき出しの試合シーン、ブラドックの目線、脳裏に浮かぶ映像、実話であることを差し引いても胸を打つものがある。

ラッセル・クロウの少しくたびれた、でも、リングに上がると鬼気迫る眼差しをもつ父親、レニー・ゼルヴィガーのけなげな、一歩下がりながらも力強く家庭を支える母親、かわいい子供たち、ポール・ジアマッテイの心根の良いマネージャー等々、良い雰囲気。

新年早々、久しぶりの映画館で良い映画、気分いいですね。。。


06.01.08 映画館

オリジナルサイト
http://www.movies.co.jp/cinderellaman/