トニー滝谷 | ナイト・オン・ザ・プラネット

トニー滝谷

トニー滝谷 ものごごろつくまえに母親と死に別れ、ミュージシャンの父親は全国を回るため、祖母に育てられたトニーが自然に物静かな、人付き合いの苦手な、だけど何かに没頭するような人間になっていく。大人なり、イラストレーターになっても同じように毎日を過ごしていくのだが、ある時、小沼英子という編集者に出会い、彼女の持つ雰囲気に惹かれ、結婚するのだが・・・

いやー、さすがイッセー尾形、役の作り込みかたが違うなぁ。こんな人いそうだな~と納得してしまった。主人公、トニー滝谷の一生を追っていくのだが、トニーその人になりきっているようだ。青年から中年まで演じているが、初めて感じる幸せへのとまどいや、うれしさ、その後の喪失感等々、年齢的な違和感も少なかった。
あの、遠い眼差し先はなにを見つめてるんだろう。

トニーの奥さんを演じるのは宮沢りえ。近年、日本の女優の中でもいろんな意味でキレイな人だな~と再確認。普段は普通の人なのだが、かなりな洋服フェチで、きれいな服を見ると買わずにはいられなくなる、また、それを自然に、彼女のためにあるかのように着こなす。なにかの喪失感の裏返しのように。
しかし、さすがの着こなしだな~と感心していたら、エンドロールで彼女専属のスタイリストがいたことを確認・・・うーん、なるほど。

青みがかった映像も、淡々とした西島秀俊ナレーションも主人公の人間性を表しているよう。
村上春樹原作だということは、本を読まない私としてはあとから知ったのだが、ストーリーより演じる二人の持つ雰囲気がよかったので、それで満足かな。


05.11.11 映画館

オリジナルサイト
http://www.tonytakitani.com/