ベルリン、僕らの革命 | ナイト・オン・ザ・プラネット

ベルリン、僕らの革命

ベルリン ベルリンのアパートで同居する2人の青年、ヤンとピーター。彼らは「エデュケーターズ」を名乗り、金持ちの家に侵入しては何も盗らずに家具などで、意味ありげに動かし、積み上げたりしては、何も盗むことなく、ただ、「贅沢は終わりだ」とメッセージカードを置いて去り、世間を騒がせていた。それは、彼らなりの貧富の激しい資本主義社会への抵抗だった・・・

生真面目なヤンと普通に生活をエンジョイするピーターは、一見ごく普通の若者だが、社会的に収入の少ない弱者でもあり、一般的に貧富の差が大きい社会の中で暮らしているからか、資本主義的な社会に反抗し、世間にメッセージを送ることに燃えている。「エデュケーターズ」としての行動は、彼らの若さからくる勢いもあり、危うさも含んでいる。その危うさが彼らを簡単にレールからはずしてしまう。
きっかけはピーターの彼女ユール。彼女もまた低賃金で働いている外国人労働者への待遇是正を訴える活動をしている理想家であるが、実はある理由も関係している。

後半、彼らは必死に自分たちを正当かしつつ、暴走し始める。誰しも理想を持っているし、若い頃は往々にしてより理想を求め、行動的であるが、それが行きすぎるどうなるかを警告しているようでもある。

背景には、ドイツがいまだに抱える、東西統一後の失業率の高さや、日本と同じような将来の補償制度への不安もあるよう。また、現在の成功者である金持ち層も、その昔、学生運動に身を投じた「若者」だったりする。

暴走や、内輪もめしつつも、最後には彼らなりに消化したのだろうか?そして、どんな「大人」になっていくのだろうか?
失敗しながら成長していく、そんな課程を描く物語。
「グッバイ・レーニン」に続いてダニエル・ブリュールが好演してますね。


05.09.02 映画館

オリジナルサイト
http://www.bokuranokakumei.com/