エイブル・エドワーズ | ナイト・オン・ザ・プラネット

エイブル・エドワーズ

エイブル・エドワーズ  近未来の世界。地球上は環境汚染で住めなくなり、人々は宇宙ステーションのでの生活を余儀なくされていた。その中でアンドロイド製造している大企業エイブル・エドワーズ社は経営危機を乗り越えるため、初代の社長-かつて、アニメーションキャラクターのヒットからエンターテイメントの世界で一時代を築いたカリスマ経営者、エイブル・エドワーズのクローンを育てて社長に就任させることにするが・・・

主人公はオリジナルの人間性も受け継ぐために、計画的に同じ人生を送らされる。そんな中、クローンものにありがちな、苦悩や葛藤、そして、自分自身のアイデンティティを追求していく。それなりに個性は認められているが、やはり操り人形的なところもあり、失敗すれば捨てられていくという悲しさと、その非人間的な扱いに対する問題提起をしている。
また、明らかにウォルト・ディズニーをモデルにしている(ミッキーマウスをパロったなんとかパンダで成功したそうだ(笑))ので、もし彼を復活させたらどんなことをするだろう?というもしもの世界を見せてくれていているところは面白いし、かつての大物を復活させて復活を目指す辺り、最近のリメイク流行のハリウッド映画を皮肉っているようにも見える。
映像はモノクロで、モノのデザインも全体的にレトロな雰囲気でこの辺りも昔のディズニーアニメを見ているよう。まあ、予算的な制約もあってのこと(約400万円で制作、編集は自宅のMAC1台!)なのだが、雰囲気は悪くない。

物語的にはまあまあなのだけど、どうしてもチープさは否めないところ。テレビのスペシャルクラスかなぁ。
監督自身の長編デビュー作だそうなので、これで認められて次回作もがんばって欲しい!


05.07.23 国際Dシネマ映画祭

2004年/アメリカ/85分/DV
監督:グラハム・ロバートソン
出演:スコット・ガルブレス、ケリ・ブルーノ、デイビッド・ウリー