アマロ神父の罪 | ナイト・オン・ザ・プラネット

アマロ神父の罪

アマロ神父キシコの小さな街に赴任してきた若い牧師アマロ。彼は見習い神父で修行に来たのだった。この教会には他の教区の牧師も集まってくるのだが、問題を抱えていている者もいて一筋縄ではいかない様子。しかし彼は、一人前になるため、希望に燃えていた・・・

始まりから、乗り合わせたバスが強盗に合う。先行きの暗さを暗示しているかの様な雰囲気。
今まで、真っ直ぐ育ってきたであろう雰囲気の主人公アマロ。もちろん修行の身であるから、他のことに目がいくことも少なかったのだろう。
ところが、見習いとして赴任した先は、俗世間のドロドロした世界や理想と現実の隔たりや本能的な誘惑があり、徐々にその中に溶け込んでいってしまう。牧師という職業柄、よけいに禁じられた部分が多いだけに、一度足を踏み入れると泥沼にはまっていく。しかも状況が悪循環していくため、逃げ道を失っていく・・・

だれでも陥りやすい状況、罪を隠すためにまた罪を犯していく様が、なんでそうするかな~といった無様な状況なのだが、当事者だったら自分もなりそうという怖さが見える。かぶるツケが大きいだけに考えさせられるところだ。
今回はちょっとひ弱キャラのガエル・ガルシア・ベルナル。こういうキャラもまた似合うんだよなとちょっと感心してしまう。

結局、罪を隠したまま自分のエゴを通していくアマロ。偽善者という言葉は彼のためにあるんだろうなぁ。
現実の影の部分を描いた、悲しい物語。人間の良い面だけでなく、一生分の重い荷物を背負ような悪い面も知らないと完全な聖人になれないってことなのだろうか?それとも、どんなに偉い人間も何してるか分からないという現実を描いたのか・・・


05.07.21 映画館

オリジナルサイト
http://www.sonypictures.jp/archive/movie/worldci