スーパーサイズ・ミー | ナイト・オン・ザ・プラネット

スーパーサイズ・ミー

スーパーサイズ・ミー 映像制作を仕事にするスパーロックはある日、こんなニュースを目にする。

--肥満に悩む2人のティーンエイジの女性が原因はマクドナルドにあると訴訟をおこし、大量に食べたのは本人の責任として敗訴、マクドナルド側は「自社の提供する食品の栄養バランスと肥満との影響は全くない」とコメントした。--

一見バカげているこのニュースに食いついた彼は、双方の言い分を自ら実証、映像に納めることにする・・・


監督・主演?モーガン・スパーロックによるドキュメンタリー。
自らモルモットになって食べる食べる・・・
そのルールは、
①店内に存在するもの意外オーダーしてはならない
②「スーパーサイズ」を進められたら断ってはいけない
③すべてのメニューを必ず一度は食べる
④朝・昼・晩の3食全て残さずに食べなければなけない
さらに、アメリカ人の平均的な運動量にあわせるために歩く時間も減らしていく。

アメリカに行ったことがある人ならわかるはずだが、ただでさえサイズが大きい世界の中のスーパーサイズは半端じゃない!リッターサイズのドリンクを片手にビッグマックより大きなバーガーとたぶんふつうの3倍ぐらいの量のポテトを食べるのだ、おえ~。
のっけから肥満大国まっしぐらの米国の状況やらファーストフード店の発展などの予備知識を織り込みながら映画は進行していく。

始める前、健康体だった彼が日に日に不健康になっていく様子がコミカルに描かれる。が、どう考えても危険な状態が続いていく。
3日目には胃の調子が悪くなり、なれない食生活にもどす場面も。そして一週間で早くもカロリー過多、体調不良を訴えだす。
最初は大丈夫だろうといっていた医者もドクターストップをかけられ、見守り続ける菜食主義者の彼女も心配して止めるが、彼は続けていく。


最終的な彼の体の状態などは映画で確認してもらうとして、面白いのは、最後の方ではバーガーを食べずにいられなくなること!バーガージャンキー!!そりゃ肥満の人間が増えるわけだ。
また、撮影がてら特に肥満度の高い州の店に出かけていくのだが、そこの店員がまた太った人だらけ。。。
海外で見かける、「頭と手首、足首のサイズは自分と変わらないのに体だけ妙にデカイ外国人」はこうして作られていくのね~、うーん、納得。

しかし、自分の生活に置き換えて見ても、お昼は外食でワンコイン生活を送っていることもあり、一時期は週一でマックを食していたこともある身・・・ま、要はバランスだよね~バーガーオンリーは考えられないし、健康診断が怖すぎる!そう、下手なホラー映画より怖いかも!


ドキュメンタリーという点では「ボーリング・フォー・コロンバイン」「華氏911」に続いてと思われがちだが、アメリカではこのジャンルも結構盛んみたいで、それなりの題材からどうでもいいようなものまでいろいろあるみたい。街のCD・DVD屋や書店でもドキュメンタリーコーナーがあるらしいので、これから行く機会のあれば、物色してみるのも良いかも。結構掘り出しものがあるかもしれない?


一方的に描かれているきらいはあるが、楽しげな雰囲気やおもちゃで判断能力の弱い子供にも人気があるなかで、冒頭の「栄養バランス」うんぬんを語るなら、道義的責任を問われてもしょうがないかな。実際、スパーロックもこの点を疑問に思ったようだ。

真偽はどうあれ、「スーパーサイズ」を中止に追い込んだこの映画、一見の価値あり。
別にスクリーンで無くてもOKなのでレンタルしてみては?地上波テレビじゃ無理だろうな~スポンサーを敵にまわせないから。。。

ジャンクフード嫌いの人はより嫌いに、そうでない人もそれなりに・・・


05.06.28 映画館

オリジナルサイト
http://www.supersizeme.jp/