マシニスト | ナイト・オン・ザ・プラネット

マシニスト

マシニスト 不眠症で1年間も寝ていない男、トレバー。彼は機械工として働き、普通に生活はしているが、極限までやせ細り今にも倒れそうな雰囲気。
その為か、彼はしなければならないことはメモにして壁日貼り付けていた。
ある日、ふと冷蔵庫のメモ見ると暗号のような絵とその下に何文字か書き込むように示した下線が書き込まれていた(※1)。だれが、何のために?
翌日、彼は見慣れない工員、アイバンに声をかけられるが・・・


謎のメモを発端にして、トレバーの周りで起こる不可解な出来事や事故が彼を追い込んでいく。
彼は、何者かに陥れられていると思い、必死にその人間を捜す。

要所要所で絡んでくる謎の男アイバン。赤い車に乗り、工員だと名乗るがだれもその存在を知らない。
常連となっている空港のカフェのウェイトレス、マリア。彼に好意的な彼女と彼の息子とともに遊園地に行くが息子が持病で倒れてしまう。
親しい関係にある娼婦、スティービー。彼女の部屋で見つけた写真にアイバンが写っていため彼女と言い争いになる。

これらのことや他に起こる全てのことがある答えに絡んでいる。
そこかしこに隠れているキーワード。それは彼の会話の中や行動、果ては幻想の中にも存在する。いったいなぜこんなことになったのか?
そもそも、なぜ彼は1年以上も不眠症に悩まされているのか?

トレバー役のクリスチャン・ベイルのやせこけ方が半端じゃない。約30キロものダイエットをしたそうだが、医者からここまで落としても大丈夫だろうと言われた体重のよりさらに10キロ近く!もやせている。少し歩いただけで疲れてしまうというその体つきはまさに骸骨。目が落ちくぼみ、ほおは痩け、あばらが浮き上がり、劇中その体を強調するようにおどけるシーンがあるのだが、笑えるような笑えないような・・・単純に食事を抜いて実現したそうだが、役者魂というか役者バカというか、とにかく命がけなのは間違いない。彼の存在だけで半分以上映画が成り立っている。
ここから「バットマン・ビギンズ 」の体格まで短時間で戻したのかと思うとすごすぎる!

作品としては「ファイト・クラブ」や「メメント」の空気がただよっている。
ちょっとダークな色遣いの画面がまた何かおどろおどろしい雰囲気をつくりだしてる。
どれが現実でそれが幻覚なのか?主人公が疑心暗鬼になりながらも、首の皮一枚のところで自己を保ちながら謎に迫っていくこの映画、サイコサスペンスもネタがつきてきた感がある中、ちょっと違った物語の要素を取り入れてうまくまとめている。

最高に面白いとまではいかなくても、そこそこの秀作。
クリスチャン・ベイルの姿を見るだけでも一見の価値あり。彼のファンならなおさら買いかな。



※1:ハングマン・ゲーム。首つり人形の絵が完成する前に隠されたキーワード当てれば勝ちという、アメリカで広く伝わるゲームだそう。



05.06.28 映画館

オリジナルサイト
http://www.365sleepless.com/index.html