モーターサイクル・ダイアリーズ | ナイト・オン・ザ・プラネット

モーターサイクル・ダイアリーズ

モーターサイクル01 1952年1月。23歳の医学生エルネストは年の離れた29歳の友人アルベルトと、彼の運転するバイク・怪力号(ノートン500)で8000kmにも及ぶ南米大陸探険の旅に出かける。アルベルトは30歳までに海外旅行をする夢の実現のため。エルネストは一応、ハンセン病の実情を見に行くとという目的のため。

若き日のエルネスト・ゲバラ・デ・ラ・セルナ、後のチェ・ゲバラの旅と友情の物語。

はじめは親友同士の二人旅といった風情。
エルネストはまじめで真っ直ぐで冒険心にあふれた青年。
アルベルトはくだけた雰囲気で女性に弱いタイプだが、やはり冒険好きな男。
この二人が、言い合いしながらもマイペースな旅をしていく。

アルベルトは、どちらかというとせっかくの旅だからお気楽に行こうよ、という感じなのだが、エルネストはしっかりと目的を持って計画性的に旅をとまじめさが先に立っている。それでも途中で遠く離れた恋人に会いに行き想いを確認したりと若さが先走る。しかし、その後のいろいろな出来事や出会いが、彼を変えていく。

モーターサイクル02 初めはお金が底をつき、出任せでその場しのぎの旅を続けるが、その中で出会う病人を助けられないことで己の無力さを知ったり、信じていた恋人に別れられ落ち込んだり。


モーターサイクル03 その後、バイクも壊れ、チリの砂漠を歩いていたときに出会う夫婦。共産党員というだけで、警察に追われて命さえ危ない彼ら。ペルー・クスコで出会う不当に搾取されたインディオたち。マチュピチュの遺跡を越え、リマでハンセン病の権威であるペッシェ博士に出会い、衣食、お金、思想を学ぶ。そして、サン・パブロのハンセン病の病院。ここでの医師、シスター、そして患者との関わり合いの中、病気や差別と向き合う。


以前見た「アドルフの画集」を思い出したが、成長の過程で出会う人間やタイミングでかなり人生が変わるものだなと思ってしまう。もちろん「アドルフ~」は脚色が多いので単純に比べられないが。基本的な人間性-屈折しているか、真っ直ぐか。流されやすいか、そうでないか-にもよるのかな。

ガエル・ガルシア・ベルナルがエルネストを好演。
革命家の若き日の物語として見るもよし、青年から大人への成長の物語として見るもよし。
秀作。チェ・ゲバラの原点。


05.06.24 映画館

オリジナルサイト
http://www.herald.co.jp/official/m_cycle_diaries