サイドウェイ | ナイト・オン・ザ・プラネット

サイドウェイ

サイドウェイ 小説家を目指し、目下編集部からの連絡待ちの男マイルス。無類のワイン好きの彼は一週間後に結婚を控えた2流俳優の悪友ジャックとワインとゴルフ三昧の旅に出かけるのだが・・・

よく言えば理性的だが、マイナス思考で行動に移すのが苦手な主人公マイルスが本能のかむき出しで女にだらしない楽天的なジャックと車で旅に出るのだが、のっけから車で乾杯!かなり、珍道中を思わせるオープニング。重い雰囲気になってくるといい具合に落とすシーン差し込まれていて、ちょっとばかばかしくも楽しいストーリー展開になっている。ちょっと人生の下り坂で悲哀も感じさせるマイルスは、こんな雰囲気と、彼が想いを寄せるワイン好きの女性マヤの、年代物のワインの味にたとえて、ちょっと枯れた味もまたいい、といったせりふに徐々にだが変わっていく。

この物語で忘れてはいけないのがワイン!まず、舞台はカリフォルニアのワイン産地。至る所にワインナリーが出てくる。マイルスとマヤはワイン好きだし、橋渡しに一役買うマヤの親友ステファニーにもワイナリーで働いていて、そこで出会う。登場人物の生き方などはワインの品種にたとえられるし、いい雰囲気のシーンでも悪い雰囲気のシーンでもワインが絡んでいる。

だめ男なマイルスに共感してしまうところもあり、もっとポジティブに、行動的にならなきゃいけないな~なんて思ってしまったりもするし、だからといってジャックの勢いだけの行動もどうかな~なんて、中間の人種じゃないところがこのコンビのいいところなんだろな~。あ、ジャックもだめ男だったかな?ちなみにジャックは結婚を控えているのに女性に手を出しては失敗しまくります・・・でも、ちょっとほほえましい。超ポジティブでくじけないし。

監督のアレクサンダー・ペインの配役が絶妙。ジアマッティもヘイデン・チャーチもマドセンもみんな素敵だ。特に最近気になるサンドラ・オー。なんと監督の奥さんだそうだが、トスカーナの休日に続いてナイスアシスト。これからも活躍しそう。

物語の終盤、どん底のマイルス。どんなに悪いことが重なっても、神様は見捨てないのさ。立て!立つんだマイルス!
第二の人生を見いだす物語とカリフォルニア・ワインの旅が楽しめる、2度おいしい映画。とりあえず、ピノ・ノワールのワインを味わいましょう。

05.06.02 映画館
オリジナルサイト
http://www.foxjapan.com/movies/sideways/